シンガポールで通訳

医療通訳の難しさ

2019年10月、11月に日本医療通訳協会の医療通訳技能検定を受けました。そして無事、医療通訳技能検定1級を取得しました。

11月の二次試験は実際のロールプレイ通訳なのですが、ここで9割とらないと1級はもらえないので、当日はとても緊張しました。

今日は実際に医療通訳に携わってみて、ここが難しいなと思う点を紹介したいと思います。

医療英語

ずばり、医療英語です。英語が話せる人でも医療系の言葉はあまり耳にしたことがないという方がたくさんいらっしゃいます。私もそうでしたが。

一次試験対策として厚労省の単語帳をひたすら覚えました。

痛風→gout、子宮内膜症→endometriosisなどなど

また発音がとても難しいのです。一つ一つ発音をGoogleで確認しました。

シンガポールで私たち医療通訳士が派遣されるときは、大体、病名や症状が分かっています。ですから準備段階として、その病名、症状に関する単語がすらすら口から出るようにしていきます。

でも体はつながっているので、全く関係のない部位と考えていたところの疾患を急に言われたりするのです。おっと、あの単語はあれだったとか思いながら訳しています。

気持ちに寄り添う

医療英語もさることながら、一番難しいのが患者さんの気持ちに寄り添うことではないかと思います。

私自身もそうですが、医療機関を受診するのはやはり勇気が要ることです。

「自分の身体、大丈夫かな。」

「どんなこと聞かれるんだろう。どんな検査なんだろう。」

「先生怖くないかな。」

色々な心配事が浮かんできます。

私なんて先日、耳の聞こえがおかしいなと思ってGP(一般開業医)に行ったのですが、行くときに、

「大したことないって言われたらどうしよう。私の勘違いだって言われたら恥ずかしいな。」

とドキドキしながら行きました。

患者さんは色々な不安な気持ちを抱えていらっしゃると思います。そこで医療通訳士として言葉のサポートはもちろんのこと、できる限り気持ちに寄り添うサービスを提供することができればなと思っています。

おすすめの医療通訳士

医療知識はもちろんのこと、患者さんのことを思ってサービスに当たっていらっしゃるシンガポールの医療通訳士をご紹介したいと思います。

渋谷理惠さん

https://bright-relations.com/

勉強熱心で医療に詳しくて、医療英語もばっちり。

さらには電話が通じないからと患者さんのために予約の確認に病院まで押しかけていっちゃうくらい患者さん思いなんです。

私も医療通訳技能検定を勉強中にたくさんのことを教えてもらいました。二次試験対策として特別にスクリプトを読み上げて勉強に付き合ってもらったり。(理惠さんはその日、午前中も午後も医療通訳の仕事が入っているにも関わらず、私の勉強に付き合ってくれました。勉強はもちろん病院のカフェで)

とても優しい理惠さん、おすすめです。